発達障害留学日誌

在典邦人男性挫折日記

長時間の飛行

 我ながら悪質なブログタイトルをつけてしまった。
 そんな訳で留学中の様子をブログでまとめたいと思います。遠くスウェーデンにいる俺のことを、たまには思い出しておくれ。
 アーランダ空港に到着したのが、現地時間で8月20日の午前6時過ぎ。こっちについて一週間経ったので、振り返ってみる。
 写真とかは後で追加するかも。

 8月20日
 日本時間の8月19日18時ごろに成田空港を出発し、バンコク経由でスウェーデンへ飛ぶ。飛行機に乗ってる間は、映画を観たり、眠っていたりしていた。眠りすぎて機内食を食べ損ねたりもした。
 アーランダ空港に到着後、入国審査の長い列に並ぶ。パスポートと大学の受入承諾書を審査官に渡して、質問に答える。「お前はこの国で何を学ぶんだ?」という何気ない質問に対して、なんだか急な後ろめたさを感じながら「ソーシャルサイエンス」と震えた声で返した。空港と大学間のシャトルバスが9時から出るため、それまでの時間を空港のロビーで潰す。『地球の歩き方 北欧』を読んでいると、いきなりタイ人に話しかけられたので、戸惑いながら世間話をした。思った以上に英語が口から出てこなくて驚いた。先が思いやられるばかりだ。日本の夏について訊かれたので、「高温多湿」と答えようとしたものの、"humid"の一語がパッと出てこない。苦し紛れに"moist"と言ったが、それだと「じっとり」というよりは「しっとり」と心地よい感じになってしまう。だいたい、高温多湿ならタイの夏のほうが凄そうな気がする。気候じゃなくて、花火みたいな風物詩の話でもすればよかったのか?
 シャトルバスに乗り込むと、学生組合の組合員らしき女性が二人添乗していて、バスの前方に立って話を始めた。「座席に置いてある袋の中を取りだしてください」という指示に従うと、袋の中には地図、パンフレット、水の入ったペットボトル、SIMカード、反射板が入っていた。反射板が入っている理由は、スウェーデンの冬の夜は真っ暗なので、歩行者は反射板を携行するのが慣例なのだという。丁寧に首から提げるための紐も付いていた。そんな案内を聞き流しながら、車窓から外を覗くと、やたら広い道路が広がっている。涼しい空気、強い日差し、広大な大地、なんだか夏の北海道を想起させる景色だ。一回生の時分、高校の同期に誘われて札幌から石狩までの往復70㎞を歩いた記憶が思い出される。得難い経験ではあったが、なぜあんなに歩いたのか、いまだに腑に落ちない。
 シャトルバスがストックホルム大学に着くと、さっそく寮の部屋の鍵を受け取るために学生会館へ向かう。僕の住む寮は大学から北へ1㎞弱行ったところにある。大学から寮へ続く一本道は、東に雑木林が、西に牧羊地が広がっている。トランクを引っ張りながら、なんだか途方もないところへ来てしまったのだと、少しずつ実感してきた。
 寮は幸い一人部屋で、シャワーもトイレも付いている。マットレスが少し汚れているが、ベッドも勉強机もある。さっそくインターネットを繋ごうとしたら、持っているノートパソコンにLANケーブルの接続端子がなくて途方に暮れる。荷ほどきもほどほどに、LANケーブルのアダプターを買いに外へ出かけた。
 大学近くには地下鉄の駅があり、そこで1日乗車券を購入した。切符のシステムが日本と大きく違って、A駅からB駅へ行くには幾ら、という概念がない。金額に応じて一定の期間で交通機関が乗り放題で、短いのであれば75分、長ければ一週間や一カ月といった感じだ。間違った駅で降りてしまう身としてはありがたいが、便利なのか、複雑なのか、いまひとつ判然としない。
 地下鉄とバスを乗り継いで、郊外の巨大な家電量販店に着いた。ELGIGANTENという企業で、IKEAのある場所に出店することで成長を続けてきたらしい。そこで目当てのアダプターを買った後、せっかくだから観光しようかとも思ったけど、インターネットの方がやりたかったので、ひとまず帰路についた。
 自室に戻ってインターネットの接続に成功し、さっそくニコニコ動画のページを開く。トップ画面に『らき☆すた』一挙放送の文字が流れたので、クリックする。しかし、見られない。「この番組はお客様の国・地域からの視聴はできません。」スウェーデンではニコニコ生放送が見られないのだ。すぐにニコニコ動画のプレミアム会員を解約した。その後、ほかのオタクライフラインは開通しているのか確認するも、散々だった。参考までに以下に列挙する。

ニコニコアニメチャンネル:視聴不可。
ニコニコ生放送:アニメ一挙放送は視聴不可。対談番組などは視聴可能。
AbemaTV:視聴不可。
Amazonプライム・ビデオ:Amazonオリジナル作品を覗いて視聴不可。
U-NEXT:視聴不可。
Komiflo:閲覧不可。
Anitube:謎のサーバーエラーにより視聴不可。

 アニメが全然見られない。なので、僕は暇なときはYoutubeでヒカキンの動画とか見てます。あと、Netflixとかと契約しようか考えています。
 さて、オタクライフラインの壊滅に嘆いていると夕飯時になったので、市街地へ出ることにした。地下鉄に乗ってストックホルム中央駅で下車。クングスガータン通りにあるスウェーデン料理屋に入る。スウェーデン料理を食べるぞ、と当初は意気込んでいたが、メニューが読めず混乱しているうちに目的を見失い、「これなら食べられそう」という理由でダニッシュ・サンドウィッチを頼んでいた。デンマークじゃねぇか、近いけど。とはいえ、エビやスモークサーモンも付いていて、北欧の海産物を幾らか楽しむことが出来た。
 夕食を済ませて、ぶらぶら歩いていると20時を回っていたが、空はまだ明るい。緯度が高いので、夏は日没が遅いのだ。しかし長時間の移動で疲れていたので、早めに寮に戻り、寝ることにした。マットレスが汚れていたので、持ってきた寝袋にくるまって就寝した。

 まだ一日目が終わったばかりだけど、長くなったので一度切ります。